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シュタイナー療育
~最新研究について~
シュタイナー療育 ~最新の研究~
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フォルメン線描について

フォルメン線描は、≪身体を動かすことから始めて、その動きの軌跡として直線や曲線が表れることを体験します。

≫ 形が動きから生まれる体験をもとに、連続するフォルムや線対称、点対称のフォルムを描くことで、
形や空間のバランスに対する感覚やリズム感を育て呼吸も整えられてきます。

フォルメンは、子どもたちの成長に合わせて、より複雑に交差や広がりを持つものになり、
文字の導入や幾何学へとつながっていきます。

シュタイナー学校の一年生で取り入れられ、その後につながる幾何学の前段階のフリーハンドの図として、
4、5年生くらいまで基本的に授業として行われます。

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2009年頃から、茨城県牛久市にある「神経科クリニックこどもの園」では、
PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)や
強迫性障害の子どもに対してEMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:
眼球を意識的に動かして、脳の神経細胞を刺激して、心の混乱を解きほぐす方法)を行ってきた。
眼球運動が十分にできない患者に対して、他施設では様々な試みがなされているが当院では
フォルメン線描(シュタイナー教育)を用いた。結果良好な成績が得られたので報告する。

症例は95例。病名はPTSD50例、強迫神経症14例、その他20例。
年齢構成は10歳未満11例、10歳代52例、20歳以上32例。
通った期間は、短い人で3週間~1年半と患者の抱えるトラウマの大きさが様々だったことが窺える。

EMDRは、外傷体験想起(トラウマになった時点の記憶を再度想起してみる)が伴うことが、
多くの子どもの治療に限界を抱かせた。交通事故の恐怖から親にしがみつき離れない様子を見るうちに、
外傷体験想起を外して取り組むことに変更を加えた。EMDRの眼球運動では、幼児や高齢者、
また精神疾患の患者に対して、眼球を動かす方法は、医療者が指を2本立てて、
患者の眼前を左右、上下に動かし、患者がしっかりと医療者の指を追視していることを確かめて、
次第にスピードを上げていきますが、この方法だと苦痛を感じることが多く限界を感じることが多かった。
当院では、眼球運動の補助としてシュタイナー教育で用いられているフォルメン線描を利用した。
フォルメン線描では無理なく眼球運動ができることが認められた。

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フォルメン線描は、線を引くことでその線に沿って眼球が柔軟にしかも苦痛を感じずに無意識に移動するため、
どんな条件下でも応用できるメリットがある。
苦痛なくひたすら描き進めていく内に心に押し込められたストレスが次第に解放された。

フォルメン練習としては、水平線から風が出てきて、波が少しずつ大きくなってくる様子を描くのと、
縦の8の字、横向きの8の字で(レムニスカート:永遠)という比較的単純なものを繰り返し練習することでした。
動く方向に、知らず知らず目を動かしながら描くことになるので、無意識で眼球運動が出来て、
PTSDからの回復がかなりの確率の方に奇跡が起きたということが書かれています。

今後のフォルメンの未来が描かれていましたので、参考までにお伝えします。

参考文献:1)フォルメン線描Formenzeichnen
著者 田中麗香 真木みどり 田上洋子発行 神経科クリニックこどもの園
2)トラウマからの解放  著者 田上洋子 発行 現代書館

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